いつも車に乗っているところから"車僧"と呼ばれている僧(ワキ)が、京都・西山に来て雪景色を眺めていると一人の山伏(シテ)が禅問答を挑む。
しかし車僧に勝つ事が出来ず、自分の住む愛宕山の太郎坊の家に来いと告げ黒雲に乗って去っていく。−中入−
やがて天狗(シテ)が現れ、行力較べを挑むが牛も人も引かぬ車を自在に動かす車僧の行力を見せられ、車僧に敬意を表して立ち去る、という物語。
車僧と山伏の禅問答、車僧と天狗の行力較べという2つのテーマに基づいて作られた演目だが、室町時代、足利家によって神社仏閣の中で寺が重んじられ、それまでの天狗のイメージを変革させた事がよみとれる。
他に「善界」という、同じ効果を担った演目が存在する。
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