(3)現図金剛界曼荼羅 a.金剛界九会(くえ)曼荼羅
金剛界曼荼羅は、7C末〜8C初頭、南インドで成立したとされる金剛頂経(こんごうちょうぎょう)(「一切如来真実摂大乗現證三昧大経王経(いっさいにょらいしんじつしょうだいじょうげんしょうさんまいだいきょうおうきょう)」施護訳)に説かれる曼荼羅である。 金剛とは金剛石(ダイヤモンド)に由来し、何ものによっても砕ける事のない堅固なるものを意味し、それは絶対普遍なる仏の智恵を表わしている。 金剛界曼荼羅は智の曼荼羅と言われるように、大日如来の智恵の働きと、それに基づく悟りの世界を図像化したものである。 金剛界曼荼羅は9つの方形の小曼荼羅から成り立っているので、九会曼荼羅とも言われる。(一会からなる金剛界八十一尊曼荼羅もある) 全体に大小の白い円形が幾何学文様のように配置されている。これは智恵を象徴する満月輪であり、全尊がそれら月輪内の蓮華座に坐す。 九会の内その中心となるのが中央の成身会(じょうじんね)であり、その下方(東)に三昧耶会(さんまやえ)、その左(南)に微細会(みさいえ)、上(西)に供養会(みさいえ くようえ)と四印会(しいんね)、さらに右回りに順に、一印会(いちいんね)、理趣会(りしゅえ)、降三世会降三世三昧耶会(ごうざんぜえごうざんぜさんまやえ)と続く。 |
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金剛界曼荼羅(全体) 浄土寺本 | 1.大日如来 2.阿如来 3.宝生如来 4.阿弥陀如来 5.不空成就如来 |
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