中 国 新 聞
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平成13年1月16日(火) | |||
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■衣料切符三十点で木綿の反物一反が配給された戦時中。家族は男衆の衣服をつくり、家族は男衆の古着をつぎはぎして着る。「男は家を出ると、何があるか分からないから・・・」。三原市宗郷町の熊本幸子さん(七三)もそんな時代を生きた。 ■戦時中の台所はなべとかましかなく、数枚の取り皿がぜんに並ぶだけ。三菱重工関連の現場で働いていた夫は昼は日の丸弁当を食べ、夜はイモのつるの皮をはぎ、フキのように煮た「煮しめもどき」を家族と食べる。 ■敗戦から高度経済成長に時代に向かう十年間、薄っぺらな日の丸弁当がだんだん厚くなる。それにおかず一品が付いた時、やっと胸をなで下ろした。そんな日の丸弁当にも意外な技があった。 |
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写真 ・ 文 村上宏治
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