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源氏物語をお道具に設えおもてなしをいたします。 雅に彩られた秋のひとときをごゆるりと。
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原文
つつましげにおるるを見れば、まづ、かしらつき様体細やかにあてなるほどは、いとよくもの思ひ出でられぬべし。扇をつとさし隠したれば、顔は見えぬほど心もとなくて、胸うちつぶれつつ見給ふ。車は高く、おるる所はくだりたるを、この人々はやすらかに下りなしつれど、いと苦しげにややみて、久しく下りてゐざり入る。濃き袿に、撫子とおぼしき細長、若苗色の小袿着たり。四尺の屏風を、この障子にそへて立てたるが上より見ゆる穴なれば残るところなし。こなたをばうしろめたげに思ひて、あなたざまに向きてぞ添ひ臥しぬ る。 (490頁)
宿木巻には、薫と匂宮の結婚が描かれています。匂宮は夕霧の六の君と結婚します。中君は大きな衝撃を受け、八の宮の遺言に背いて宇治を出たことを後悔し、薫に 宇治へ連れて帰ってくれるように頼みます。薫はこの時とばかり恋情を訴えますが、中君が懐妊の身であることを知って思いとどまり、後見人に徹するのでした。薫の恋 慕と匂宮の嫉妬に悩む中の君は、大君に瓜二つの異母妹浮舟の存在を明かします。翌年、中君は無事に男子を出産します。その同じ月に、薫は今上帝の女二の宮と結婚し、二十六歳の若さで大納言右大将に昇進します。それでも大君を忘れられない薫は、宇治に御堂を造営して供養する計画を立てます。その指図のために宇治を訪れた薫は、偶然長谷寺詣での帰りに立ち寄った浮舟を垣間見、大君にそっくりであることに驚きます。この構図は玉鬘巻において、長谷寺参詣途中の右近が海石榴市で玉鬘一行と邂逅するのと同趣向です。この一件によって、宇治十帖の後半では、薫と浮舟の恋物語が展開するわけですが、そこに匂宮が絡むことで、あやにくな展開となりま す。
宿木の席 薄茶・・・裏千家(淡交会尾道支部)
お茶席は、研修道場二階にて。
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あらすじ
薫二十四〜二十六歳
帝は母女御を亡くした女二の宮の将来を薫に託したいと考えていた。大君を追慕する薫は気が進まなかったが、御意には逆らえなくなる。一方匂宮も母・明石の中宮の意向により、夕霧の六の君との婚儀が盛大に行われる。匂宮の愛情一筋に生きる中君は、姉君の思慮深い生き方を想い、悲しみのあまり宇治に帰りたいと薫に文を送る。薫は、中君と匂宮を取り持ったことを残念に思い、早速訪れて慰める。そのうち思いが昂じて中君を抱き寄せるが、妊娠中と知り自制するのであった。帰邸した匂宮は、中君に残る薫の芳香に気付き、二人の仲を疑い嫉妬する。中君は匂宮と薫の板挟みに悩み、薫の気をそらそうと、大君に生き写しの異母妹 (浮舟)のいることを告げる。
秋の末、薫は宇治を訪れた。八の宮邸に御堂の建立することを阿闍梨と相談するためであった。ここで薫は弁の尼から浮舟のことを聞く。八の宮の北の方が他界後、側近く仕えていた姪の中将の君が、宮の情けを受けて生まれたのが浮舟であった。中将の君は常陸介(ひたちのすけ)の後妻となり、夫と共に下向していたのがこの春上京してきたらしい。宇治からの帰路、薫は古く朽ちた木に寄生している、やどり木(=蔦(つた))を 中君への土産に手折る。やどりきと思ひいでずば木(こ)の下(もと)の旅寝もいかにさびしからまし(昔宿った思い出がなければ、木の下の旅寝はさぞさびしかろう。)中君のもとに文を添えて蔦紅葉が届けられたとき、ちょうど、匂宮が居合わせていた。
文面 は御堂建立の件で、疑われるようなことは何一つなかったので中君は安堵 する。匂宮は蔦を引き寄せて眺め、自分は見ないから返事をかきなさいとよそを向く。二月のはじめ、薫は権大納言に昇進し、右大将を兼任した。二月の末、女二の宮と結婚する。その頃、中君は男子を出産する。 四月の末、御堂造営の指図に宇治に赴いた薫は、初瀬詣の帰路に立ち寄った浮舟を垣間見て、話どおりに大君に似た可憐な人であるのに心惹かれる。
監修 写真家 村上宏治
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