森谷南人子>エピソード
写実に立脚した主観
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森谷南人子
「秋の日」
「秋の日」(図録より転載)
大正13年 11月第四回国展に 「秋の日」が入選。
南人子の言葉「今回の画題は(秋の日)と言って、ついこの上の千光山麓の一部で、石切をしている山の下に女が二人立っている、カラット晴れた、いかにも秋の陽射しらしい気分を描いたものです。
私の美術観の立場を言うと、最初は写実ばかりに進んでいましたが、こればかりではどうしても行き詰まる。その行き詰まりは私に写実に立脚した主観、という活路を開いてくれました。その、まあ試みといったものが(秋の日)の上にも濃く表現されていると思いますが、精進はこれからです。」大正13年12月5日備後時事新報掲載談話


03−149 森谷南人子 画像
(百年史より転載)
03−149  
03−152 下絵「大正13年7月17日山波にて(03−149)


その他「大正13年11月25日山波村(03−152)」などが残されている。
これらは非常に大きい薄紙に下絵として描かれている。
03−152  

大正13年 5月国画創作協会第一回春季展「早春風景」が入選。

大正14年 スケッチ帖(1)がある。
(スケッチ帖(1)−1(03−161))南人子の自画像と思われる坊主頭の青年が描かれている。



03−168 03−162
03−168 03−162
03−166 03−167
03−166 03−167
03−161
03−161

謹啓 春寒の候、いよいよご清適賀し奉り候
のぶれば兼ねて国画創作協会第四回展覧会出陳の拙作、この度帰着致し候
就いては一部観覧御希望の向きも、これあり候に付き、他、四五点を加え
(午前九時 午後四時まで)来る二月■日、■日、両日
南人子 27歳頃
南人子 27歳頃(図録より転載)

御高覧に供したく候、あいだ、御知友、御同伴、拙宅において、御来観賜りたくが、段御案内申し上げ候             敬具
大正十四年二月
 尾道市長江町三丁目上新(今岡菓子店小路一丁程上がる)森谷南人子
 殿
追って御来駕の際はこの状、御持参下されたく候

合計7点の自画像らしき絵がある。
絵だけで見ると10代の少年のようにも見えるが、20代後半の南人子の肖像写真に酷似。


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