檜材・一木造 平安時代初期
浄土寺本堂の本尊で,定証起請文にある「本尊聖徳太子御作等身皆金色十一面観音像」と記されているのは,おそらく本像のことであろう。 檜材のこの像は,右手は施無畏の印を,左手に開敷蓮華をさした花瓶(後補)をもつ。面相は豊満で,体躯は肥大充実し,刀法も鋭く,全身を金色の寂光に包まれた端厳な尊容の像である。平安時代も初期に近い頃(9世紀)のすぐれた作である。
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国宝の寺 尾道 浄土寺